値上げ交渉について①

皆さんこんにちは。愛媛県西予市宇和町の税理士 古谷佑一(ふるやゆういち)です。

皆さん値上げって出来てますか?

最近の原材料価格の高騰のための値上交渉をお客様にきちんとお願いできていますでしょうか?
SNSで値上げしますと伝えていたり、文章で「燃料価格高騰のため〇%アップします」というのを送ってくださったり、案外皆さんサッとやっていますよね。

ただ中には、「言いにくい」「上げるとお客様が遠のいてしまう」といった理由から、粗利率をかなり落として、赤字になっても耐えている会社様もお見かけします。

これって正しいのでしょうか?

古谷事務所も2022年春にお願い文書を出しました。

実は当事務所はこの春に、実質的な値上げをお願いしました。
税務や会計に関していただくお値段はさほど変えていないのですが、いままで何となく顧問料の範囲内でやっていた周辺業務を別料金化、もしくは自社にて内製化、他の専門業者に依頼してもらうなどのご依頼文書を出しました。別料金が欲しいというよりは、周辺業務の整理をしたかったという点が大きいです。

そもそも専門外の事案も多かったので、調べながらやるから工数がかなりかかる、しかも無料でやってミスしてご迷惑をかける(こっちは専門外だし、無料だし善意でやっているんだから…と思ってしまいがちですがお客様からすればもちろんそうもいかないわけで)トラブルもありまして、この決断をしました。

当初このご依頼文書を出した際には「古谷が怒っている」「今までやってくれていたのに急に困る」といったお声もいただいていたのですが、お願いして3、4か月たった今となっては業務も多少整理されて、本来我々が一番サポートすべき会計税務に集中できる環境にもなってきました。

ただ勘違いしていただきたくないのは、「今までと変わらずお気軽に何でもご相談だけはください」。
今まではよほどでない限りはうちで無料にて対応していたことを、ご希望に添えるような専門家のご紹介をさせていただきます(^^)/
もちろん有料になりますが、うちが無理して対応するより絶対正確性と安心感があると思います。

値上げが出来ない理由

では値上げが進んでいない事業者様。皆さんだけが値上げが出来ていないのでしょうか?

8月11日のWBSでも取り上げられていたのですが、日本はアメリカに比して価格転嫁ができていないそうです。

  生産者物価 消費者物価 差額
アメリカ ↑9.8% ↑8.5% 1.3
日本 ↑9.2% ↑2.2% 7.0

要するに、日本ではレストランが「小麦の仕入価格は上がっているのにパスタの販売価格を変えてない」状況が続いているということ。

これには理由があって…

という、循環に陥っているそうです。納得ですよね。

でも、これって誰が一番不幸だと思いますか?資金繰りが苦しい社長でしょうか?違いますよね。
社長に生活を託している社員が一番不幸だと思いませんか?

 

原材料がめちゃくちゃ上がっているのに社長に勇気が無くて値上げを出来ない→会社は赤字→ごめん今年はボーナス無しで!

 

って言われたら、社員の立場からすると「まじで!?」ってなりませんか?これでは良い人材が集まるわけがありませんよね。人財が流出してさらに悪循環になります。

ではなぜ値上げが出来ないのか。
それは価格以外に自社の商品・サービスについて訴求力が無い(と思っている)から、自信がないからです。値上げをすると売れなくなると思っているからです。

果たしてそうなのでしょうか?僕は違うと思っています。

どの会社のどの製品、サービスにも価格以外の魅力は絶対にあります。なぜ同業他社ではなく自社を選んでいただいているのか、考えてみる若しくはお客様に聞いてみるもいいでしょう。

あとは、値上げすると売れないという思い込みをなくすこと、少数から寄せられる小言を無視することです。

値上げをすることでもしかしたら大口の取引先が無くなるかもしれない、でも仮に無くなったとしたら利益は下がりますが、時間と手間も大幅に削減できます。その空いた時間で新しい取引先を探す、新しい商品を考案する等の対策はあると思います。あとは、うちも値上文書を出したときに寄せられましたが多少の小言は無視です。笑(90%以上の方は快く承諾いただきましたのでご安心ください。)

スタッフや自分の家族を守りたいと思う気持ちがあれば勇気もわいてきます。

精神論ばかり書いても仕方ないので、次週は変動損益計算書を使った値上げと黒字化のお話をまとめたいと思っています。
いくら値上げをすれば赤字が解消するのか?といったことを数字で解説したいと思います。

この辺りはお盆中は天気は安定しているみたいですね。
花火大会も軒並み開催されるけど、うちは参加しようかどうしようか悩んでます。

どうしようかな。。。

皆様、よいお盆を!! 

税理士 古谷佑一

 

 

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