相続税について
相続税とは、被相続人(親族等)が亡くなった場合に相続や遺言で遺産を受け継いだ遺産総額の金額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)よりも大きいとかかる税金の事です。
納税義務者(相続税を納めないといけない人)は遺産をもらった相続人(遺族等)で、相続税の申告と相続税の納税共に、相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に済ませないといけません。
では親族等が亡くなってその遺産を引き継ぐだけなのに、なぜ税金を支払わなくてはならないのでしょうか?
これは主には「富の再分配」の考えに基づいて行われています。
相続は、能力関係なく、相続人であるというだけで多額の財産を手に入れられる機会です。
お金持ちの家庭に生まれた子どもは、相続税の支払いがなければ、親族等の財産を利用して、努力することなく生活することができます。
時には、相続財産を元手に、さらなる大金を入手するかもしれません。
このような循環ができてしまうと、お金持ちの家に生まれた子どもは問題ありませんが、貧困家庭に生まれた子どもはずっと貧困のままという問題が生じます。
このような不公平感を改善するために、相続税というものが導入されています。
平成27年の税制改正以前の基礎控除額は、上記の基礎控除額ではなく5,000万円+1,000万円×法定相続人数でした。
法定相続人が3人いる場合、8,000万円以上の遺産がなければ、相続税は発生しなかったのですが、平成27年1月以降は4,800万円以上の遺産があると相続税は必要になります。
バブル経済の時代では土地の価格が高騰し、一般庶民でも多額の相続税を支払わなくてはならない事態が続出してしまい、基礎控除額は拡大を続けました。
ですが、現在はバブル経済は終わりを迎え、地価は下落傾向にあります。
その中、また基礎控除額を元に戻し、相続税の支払者を増やそうという流れができています。
これにより、平成26年以前は相続税の課税対象者は全体の4.1%だったのが、平成27年は8.0%、平成28年は8.1%と約1.9倍に倍増しています。
今や相続税はお金持ちだけの税金ではなくなりました。
相続税申告を税理士に依頼するメリット
実は、きちんと調べながら上記の手順を踏めば税理士に依頼しなくても誰でも相続税の申告書作成は可能です。
ですがそこを敢えて税理士に依頼するメリットは以下の通りです。
1 時間の削減が出来る事
相続税申告にはかなり膨大な量の書類が必要になります。
税理士でもあまり慣れていない方の場合には膨大な時間を要することがあります。
ましてや、一度も経験がないご自身で行うとかなりの時間と労力を要します。
普段お勤めの方だと仕事が終わってからの時間や休日まで丸つぶれになってしまい、日常生活に影響が出る可能性もあります。
これを税理士依頼すれば2~3回程度の面談で相続税申告から納品まで完了できます。
2 適切な財産評価ができる事
相続税の申告をするためには、財産自体に金額をつけないといけません。
これを財産評価と言います。
相続した財産が、現金預金や上場株式等の金額がわかりやすいものであれば問題ありませんが、自宅建物や賃貸物件、山林等の不動産が含まれていた場合にはどうでしょうか?固定資産税評価額?買った時の金額?思い切って0円?どの金額を付けますか?
相続財産に自宅や賃貸物件、土地などの不動産が含まれる場合は、路線価や固定資産税評価額を用いて財産評価を行います。
この際の財産評価は机上だけの単純計算では十分ではなく、現地に行って状況を確認してその不動産特有の減額要素を的確に評価額に反映させなければ、実際よりも高い相続税を納めてしまう危険性や逆に低く付けすぎてしまい、後の税務調査にて指摘を受ける危険性があります。
これを適切に計算できるのが税理士に依頼する一番のメリットです。
3 控除・減額制度の適用
相続税申告においては、基礎控除以外にも配偶者の税額軽減や、一定の土地を取得した場合のみ評価額を減額が出来る小規模宅地等の特例、面積が大きい土地を相続した場合に適用できる地積規模の大きな宅地の評価など、相続税が減額できる控除制度が多数存在します。
ですが、これらの控除制度は一つ一つに厳しい適用要件が設けられており、毎年少しずつではありますが税制改正が入って内容が変わるため、一般の方が自己責任で計算するにはハードルが高いと思われます。
税理士であれば、細かく規定された要件を満たしているかを判断したうえで、相続税額の減少につながる控除制度を適用することができます。
4 税務調査時の対応
相続税の申告をして、相続税を納めて、はい終わりではありません。
申告日より最長7年間は、税務調査により細かなチェックをされる可能性があります。
その際に立ち会えるのが税理士です。
できるだけ追徴税額が少ない落としどころへ持っていくように税務署との建設的な協議ができます。
もちろん黒を白に変えることはできませんが、グレーの部分は協議次第で認められる可能性もあります。
5 他の専門家との連携
相続には相続税だけでは無く、預金の手続き、不動産登記、相続争い、その後の不動産の問題等様々な要素が絡み合います。
司法書士・弁護士・不動産業者とも連携しチームプレーで相続を解決しますので、より円滑に相続を進められるのも税理士に依頼するメリットとなります。
どの税理士に依頼しても同じ結果なわけではない相続税申告
国家資格を取得している専門家なのだからどの税理士に依頼しても同じだと思うのが普通ですよね?
実は、税理士によって相続税を全く経験したことない方や意図的にやらない方もいます。
また税理士の役割は相続税の申告だと決めつけてしまい相続税の申告書を作成して税務署に提出、納税に必要となる納付書を作成して終了という税理士もいます。
相続税の申告はそんなに単純な物ではありません。
土地の評価(価格決め)一つとっても、使いにくい形の土地や斜めに向いている土地、道路に面していない土地等であれば一定の減額をとれるケースもあります。
また、今回の相続と二次相続(次の相続)を通じて相続税がどうなるか?を想定した分割案の考案も必要です。
単なる作業代行の業者ではなく、相続のコーディネーターとして動ける税理士とそうでない税理士では結果に大きく違いが出てくるケースもあるのです。
当事務所をご検討中の方へ
この度は、当事務所をご検討いただきありがとうございます。
当事務所では、以下の点を強みとして持っています。
- 相続税の申告実績、相談実績は年間20~30件と豊富です。
- 税の観点から一番相続税が安くなる分割案をご提案します。
- 相続をワンストップ対応できる一般社団法人エンディングパートナーの理事です。
- 税理士報酬は明瞭な税理士報酬規程を基に受任前にお見積りします。
- 二次相続(次の相続)も想定した対応をいたします。
- お客様の気持ちに寄り添い、税メリットだけでなく一番理想的な相続税申告を目指します。
相続税申告はどの税理士に依頼しても同じではありません。
是非お気軽にご相談ください。