急な税務調査(無予告調査について)
「税務調査」と聞くとあまり気持ちの良いものではありませんが、中にはもっと気持ちの良くない、「無予告調査」というものがあります。
通常の税務調査は「事前通知」という制度があり1~2週間前に税務署から連絡が入ります。「税務調査に行きたいのですが、○日はご都合はどうですか?」といった感じです。
ですが中には何の連絡もなく、いきなり税務調査官がやってくることがあります。これを無予告調査といいます。
朝、ドアをノックされて、ドアを開けると税務調査官が立っているのです。そんなのアリ?と思うかもしれませんが、実際にある事なのです。
ではなぜそのような事前の連絡がない無予告の税務調査がなぜ行われるのでしょうか?
理由としては以下の点があります。
- 飲食店などの現金商売がメインの対象先に事前通知をしてしまうと、タイムリーな現金の取り扱いが把握できないと考えているから。
- 税務署が持っている情報から、「何かあやしい」「事前の連絡をすると税務調査がうまくいかない可能性が高い」と判断されているから。
どちらにせよ、税務署が何か不正の事実を確実につかんでいる場合が多いです。
残念ながら、無予告調査は法律的にも認められています。
よって無予告であっても税務調査が来たら、拒否をすることはできません。
顧問税理士がいない場合
顧問税理士がいない場合には、無予告調査に来た当日の初期対応はご自身でしていただくしかありません。
その場合には次の事を意識してください。
・社内には入れず、外で立ち話をしてください
暑い日や寒い日、雨の日等であれば、とりあえず応接で話をしますか?と言いたくなりますが、一度中に入れてしまうと、「少しだけ○○を見せてほしい」「○○だけ話を聞かせてほしい」となし崩し的に税務調査が始まってしまうので、社外で対応してください。
・本当に税務署の人間か身分証明書等で確認してください
税務調査官は通常、身分証明書を携帯しています。身分証明書の提示を依頼してください。税務署を装った詐欺も横行しています。通常は何も言わなくても提示されます。
・何をしに来たのか確認してください
もちろん税務調査に来ているのは分かっているのですが、こちらが主導権を持つためにも冷静に、本日は何の要件かを確認してください。
・今日は忙しいので無理だと伝えてください
「本日少しだけでも」、「○○の件だけでも」と言われる可能性がありますが、急に来られてもうちも予定があるので本日すぐに対応するのは無理だとときっぱり伝えてください。
ただここで誤解してはならないのは、税務調査自体を断る事はできません。税務調査は受けるが、本日は無理だという旨の話をしてください。
・できれば次回の税務調査までに税理士を見つけて、立会を依頼してください
相手は百戦錬磨の税務調査官です。
中々素人では上手く対応できず税務調査官の言いなりにされてしまう場合があるので、根拠をもって対抗できる専門家である税理士を次回の税務調査までに探していただくことをお勧めします。
顧問税理士がいる場合
顧問税理士がいる場合には、早急に顧問税理士へ連絡を入れてください。
難しいのは無予告調査に来た当日の対応だと思います。
可能なら現場に来てくれる税理士、それは中々難しいので少なくとも電話口で直接税務調査官を話をしてくれる税理士である必要があると思います。
またスピード感も大切です。
連絡を入れたのに返信がない、返信が来たのが税務調査官が帰った後、若しくは当日の無予告調査が始まった後、では話になりません。
急な税務調査でお困りの方へ
無予告調査が来た当日は何とか乗り切ったけれど、税理士が居なくて税務調査が心配だ、顧問税理士はいるが無予告調査に対してスピード感が感じられず対応が心配だという方はお気軽に当事務所へご相談ください。
無予告調査が来るという事は、おそらく何か重大かつ悪質な過失や問題があって、税務調査官はその事実をある程度掴んでいる可能性が高いです。当事務所にご依頼いただいたとしてもその事実を全て覆して是認させることはできません。直すべき所はしっかりと直していただき、不足している税金を納めていただく結果にはなると思います。ですが、何から何まで全て認める必要はございません。その判断はやはり税理士でないとできないと思います。
ご依頼いただいた場合には、一度現地へお邪魔させていただき、帳簿や領収書請求書関係をチェックします。
そして税務調査にて指摘を受けそうな個所や追徴税額の見積もり、税務調査対応上の注意点等を確認した上で、税務調査当日を迎えます。もちろん私も立会します。
そして調査後は、適法な処理をご指導し、無予告調査が来ないような体制を構築した上で適法な節税案をご提案いたします。
急な税務調査からのご依頼もスピード感を持って受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。