相続税対策を考える理由

こんにちは。愛媛県西予市宇和町の税理士 古谷佑一(ふるやゆういち)です。

先日、所属している一般社団法人エンディングパートナーとして、みなと司法書士行政書士事務所の坂本司法書士と西予市野村町の老人ホームにて相続セミナーを行ってきました。
出席者様は皆様とてもお元気でお綺麗な女性が100%だったので大変緊張しましたが、私のパートの相続税分野については基礎控除の話や生前対策を行う場合の考え方等、お伝え出来たのではないかなと思っています。

 

本日はその一部を抜粋してブログにしました。

 

1、なぜ相続税対策を行うのか?をきちんと考えてみましょう。

 相続税は法人税や所得税と課税対象が根本的に異なるため、相続税を納めるための資金を確保することが重要な課題になります。 法人税や所得税であれば、稼いだ利益に対して税金がかかるため、資金を使いすぎない限り納税資金を確保することができます。
 一方、相続税は被相続人の財産に対して税金がかかるため、被相続人の財産のほとんどが土地や建物で預金等の金融資産が少なければ、納税資金が不足する可能性だってあります。
 よって、相続税を払うために今まで住んでいた家を売却する等して納税資金を確保するケースも珍しくありません。 相続がなければ平穏無事に暮らしていけたのに相続が起こったがために、持ち家や事業所を売却するといった災難に見舞われることになってしまいます。
 また、土地や家を売却すれば売った時にまた所得税がかかることになるため財産がどんどん減っていきます。

 上記のようなことにならないように、生前に相続税対策を行っておくことが非常に重要になるのです。
 例えば、資産が2億円程度でしたら、相続税額をゼロにすることもそれほど難しいわけではありません。しかし、相続税対策を全く行わないと、家や土地を手放すことになりかねませんので、相続税対策(特に生前対策)はしっかりと行うべきですよね?

 

2、事前対策と事後対策があるけれど事前対策が命!

 相続税には相続開始前に行う事前対策と、相続が発生してから行う事後対策の2つがありますが、圧倒的に効果があるのが事前対策です。
 相続税は相続の開始があった日の現況で申告をしますので、相続後に財産を増減させても意味がありません。事後対策としてできる事は、すでにある財産の分割方法を工夫して相続税を節税する方法になるので大きな効果は得られない場合が多いのです。
 なのでやはり相続時点での財産を減らすことが出来る生前対策を講じていくことが相続税対策には有効なのです。

 〇事前対策

  ア)相続税の仕組みを利用する
    養子縁組をしたり相続税の非課税財産を利用する

  イ)財産を移転する
    生前贈与や売却により財産を減らす

  ウ)財産の評価額を引き下げる
    財産評価の仕組みを利用して評価額を下げる

 

 〇事後対策

  エ)相続税の節税対策
    財産の分割方法や評価方法を工夫して節税する

  オ)納税方法の対策
    延納や物納を活用して納税を円滑に行う

  カ)譲渡所得税の対策
    相続した不動産の売却時の特例等

 

3、明日からすぐ実行したい相続税対策3選!

ア)非課税財産の購入

 仏壇や仏具それにお墓などの祭祀財産は相続税が非課税です。
これは祭祀財産は換金されるものではなく、祖先崇拝の慣習や国民の感情を考慮して非課税とされています。
すなわち現金預金で持っていると相続税が課税されてしまいますが、これを仏壇仏具に変身させると相続税が非課税の扱いになるという訳です。
では、仏壇やお墓などはいつ購入しても節税対策となるのでしょうか?
葬儀を終えられた直後に仏壇やお墓の購入を勧める電話や営業マンが自宅を訪ねてきたなんて経験をされた方は多いのではないでしょうか?
残念ながら葬儀後の仏壇仏具の購入は非課税対象にはなりません。相続税の申告において非課税となるのは生前に購入されていた物だけです。しかも、ローンなどで購入していた場合の残りのローンは借金としては認められません。ですので、相続税対策で仏壇やお墓などを購入されるなら「生前」に「現金一括」で購入がお勧めです。

 最近の相続税対策で人気があるのは純金製の仏像や仏具を購入する事だそうです。これには主に下のような理由だと思われます。
 金の延べ棒で資産を有していても課税対象として扱われ相続税が課税されます。ですがこの金の延べ棒を純金の仏像や仏具に変えてしまえば、祭祀財産となり相続税が課税されない可能性があるからです。相続の際は節税対策として純金製の仏像や仏具を購入して祭祀財産として税務署調査をクリアする。そして相続税の支払いを免れた後、「金」の相場が上がった所でその純金製の仏像や仏具を売ってしまえば節税もしつつ資産も増やせて一石二鳥という話です。ですがあまりにも高価なの物は「骨董品扱い」されてしまい、相続税の課税対象とされる可能性もあるので注意が必要です。節税目的で購入するというのはあまりお勧めできない方法だと個人的には思っています。

イ)生前贈与

 生前贈与とは、その名の通り将来相続人になる人物が相続税の負担を減らすために生前から贈与を行っておくことです。そして贈与とは、無償で第三者に財産を渡すことです。つまり、生きている間に財産を誰かに(主に子供や孫などの親族)分け与えることで将来訪れる相続で該当する相続財産をあらかじめ減らしておくことです。一方で、生前贈与には贈与税が該当する場合もありますので、贈与税の課税対象にならない範囲内で生前贈与を行うことが相続税対策として重要になります。生前贈与を行うにしても、節税を目的に行うわけですからやはり賢い方法で、お金をあげる側ももらう側も、いかに損をしないかを考慮した上で行いたいものです。

 〇一般贈与の基礎控除を上手に活用する

 生前贈与の方法のうちのひとつである、一般贈与(毎年毎年贈与していく方法)を活用する方法です。この方法だと年間110万円までは贈与税が課税されません。
 また贈与を受ける対象者に制限がないので、子や孫だけではなく、それ以外の人にも財産を渡すことが出来ます。ただし相続開始前三年以内に法定相続人に贈与した財産は持ち戻しの対象となってしまうので、お孫さんといった法定相続人でない方への贈与を積極的に進めていただければより効果的だと思います。

 〇マイホーム贈与における配偶者控除(おしどり贈与)を利用する

「配偶者がいる人に税金面で配慮をしてあげよう」という考えから生まれた制度です。婚姻期間が20年以上の夫婦であれば一定の要件を満たす居住用不動産や居住用不動産を取得するための資金の夫婦間での2,000万円の贈与が控除されます。
 ただしそのお金の使い道は住むための不動産の購入に限られますが、これは基礎控除と一緒に使うことが出来るので、合計2,110万円の贈与ができることになります。

 〇教育資金の一括贈与の非課税措置を活用する

 直系尊属から贈与を受ける相手の教育にあてる資金としてならば、1,500万円までの贈与を非課税とする制度です。贈与を行う側と信託会社の間で契約を結んで行われ、贈与を受ける側が30歳までという点が条件となります。

 〇住宅取得等資金の贈与税の非課税措置を活用する

 両親などからマイホーム(戸建てやマンション、2世帯住宅)のための資金の贈与を受けたとき(援助されたとき)、一定の金額まで贈与税がかからなくなるという特例です。この制度を受けるためには、次の要件をすべて満たしていなければなりません。資金をあげた人を贈与者、もらった人を受贈者といいます。
例えば令和元年12月に住宅資金を贈与をする場合には、通常の住宅で2,500万円、省エネ住宅で3,000万円が非課税になります。お子様やお孫様から住宅を建築したいと打診があったら是非相続対策も兼ねてご支援してあげると良いかと思います。

  要件としては以下の通りです。

    1.贈与者は受贈者の直系尊属であること

    2.受贈者は贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること

    3.受贈者の合計所得金額が2,000万円以下であること

    4.贈与を受けた全額を住宅取得資金に充てていること

    5.贈与を受けた翌年の3月15日までに住宅を取得し居住していること

    6.親族などの身内によって取得、建築した住宅ではないこと

    7.床面積が50㎡以上240㎡以下であること

 

 ウ)分筆と合筆をして筆と実際の利用状況を合わせて節税する

 土地の評価(値決め)をする際には、評価単位というものをまず始めに決定します。要するにどこからどこまでを一つの土地として評価するか?という事です。その決め方はは利用の単位で決定します。
 使い方でどこからどこまでを一宅地とするか?を決定するという事です。これが節税とどう関係があるか?と申しますと、相続税には小規模宅地等の特例という相続財産である土地を大幅に減額(80%カット等)した価額で相続できる制度がありこの制度が利用単位と大きく関係してきます。

 例えば複数の筆にまたがって建物を建築して利用がなされていた場合、思うような節税効果が得られない場合が想定されます。整理する意味合いも兼ねて是非、分筆・合筆を行い実際の利用状況と筆を生前に合わせておくことをお勧めします。

 

繰り返しになりますが、生前にできる対策がほとんどです。中々、「お父さんが亡くなった時の話だけど…」「おじいちゃんがもしもの時の話だけど…」と言うのは切り出しにくいものですが、死について話し合う事は縁起の悪いことではありません。誰しも訪れる事ですから。皆様が集まる機会がありましたら是非話し合ってみてください。

当事務所にご相談いただいても結構ですよ(#^.^#)

では、皆さま良い日曜日の午後を♪

 

愛媛県西予市、八幡浜市、宇和島市、大洲市、松山市でクラウド会計・相続業務にも対応する税理士事務所

税理士 古谷佑一

 

お問い合わせはコチラまで(LINEでもお気軽にどうぞ(#^.^#))

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー